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パリの市街から少しはずれた蚤の市にふと立ち寄った。眼にとまったのは背の低い、上品な佇まいの老婦人が出しているお店だった。古い本やアクセサリーと共にあった美しい刺繍の絹のハンカチに魅了された。百年以上昔のものだろう。これは売り物でないという。しかしどうしても欲しくなり強く願いでたなら、彼女は抱いていた猫を差し出した。もらってくださるなら只で差し上げましょう。かくして飼い始めたけれど猫の名を聞くのを忘れてしまった。翌週、蚤の市に出掛けたが老婦人はいなかった。いつか彼女が猫の名を教えにきてくれるかもしれない。それを願い、私は初めて出す自分の小さな洋品店の名をMaison de minetteに決めた。